SPARS とは
SPARS(Software Product Archive, analysis and Retrieval System)とは,
ソフトウェアプロダクトの収集・解析・検索システムです.
これまで数限りないソフトウェアが開発され,
そのたびにソフトウェアの再利用の必要性が叫ばれてきました.
しかし,現在の開発現場で,これまでに開発されたソフトウェアを
効率よく再利用できていると,果たして言えるでしょうか.
ソフトウェアを開発する際,過去に開発された類似のソフトウェアを参照し、
少しの手直しで利用できれば,開発の効率は飛躍的に
向上するはずです.しかし,ソフトウェアを容易に検索,参照できるシステムは
現在のところ存在しません.そこで,我々は新たな方法でソフトウェアの
類似度を計測し,ソフトウェアの再利用に応用する研究,開発を進めています.
ソフトウェアの容易な検索,参照を実現するためのシステムがSPARSです.
SPARSは,インターネットに公開されているソフトウェアプロダクトを対象にした
検索システムで,キーワードやコード片等をキーとして,類似したソフトウェアの
ソースコード,ドキュメント等を効率よく検索することができます.
具体的な研究,開発は
- インターネットからソフトウェアを収集するクローラーの開発
- 相対的再利用度モデルの設計
- 高速クラスタ分析システムの開発
- ソフトウェア部品検索エンジンの設計
- 部品検索問い合わせシステムの設計
を行っています.
DACARA
今までの SPARS では単一の部品の検索ができました.
しかし我々が新たらしく提案するツール DACARA では
部品を利用する際に必要となる他の部品をもまとめて取得することを
可能にします.
このツールは SPARS の新バージョン SPARS/R 上に実装されており,
図の矢印のリンクから起動することができます.
DACARAは部品の提供するインタフェースなどを考慮することにより,
整合性の取れた部品郡を複数提示することができます.
ユーザは使いたいと思った部品を順次選んでいくことにより
インタラクティブに部品の組み合わせを決めることができます.
新聞報道
「Java」言語のプログラム
単語入力で自動検索, 日経産業新聞(2005/1/14)
導入実績
サントリー株式会社にて,社内情報システムのソースコード資産の管理に SPARS-J が利用されています.
デモ
下記 URL にて公開しておりました SPARS のデモシステムは公開を終了いたしました.
SPARS/R:
http://demo.spars.info/r/
旧SPARS (SPARS-J) :
http://demo.spars.info/j/
SPARS プロジェクトミーティング
第1回 (2002年3月18日)
第2回 (2003年3月18日)
第3回 (2004年4月6日)
セミナー
ソースコード検索システムSPARS-Jの利用体験 (2004年7月21日, 出席者29名)
発表論文・技術報告
- "Ranking Significance of Software Components Based on Use Relations",
IEEE Transactions on Software Engineering, Vol.31, No.3, pp.213-225
- "Javaソフトウェア部品検索システムSPARS-J",
電子情報通信学会論文誌D-I, VolJ87-D-I, No.12, pp1060-1068, 2004.
- "利用実績に基づくソフトウェア部品重要度評価システム",
電子情報通信学会論文誌D-I, Vol.J86-D-I, No.9, pp.671-681,2003年9月, and Technical Report of SE Lab, Dept. of Computer Science, Osaka University, SEL-Nov-21-2002, Nov. 2002.
- "Component Rank: Relative Significance Rank for Software Component Search",
Proceedings of the 25th International Conference on Software Engineering(ICSE2003),
pp14-24, Portland, Oregon, U.S.A., May 6-8, 2003. Also, Technical Report of SE Lab, Dept. of Computer Science, Osaka University, SEL-Oct-8-2002, Oct. 2002.
- "ソフトウェア部品間の利用関係を用いた再利用性評価手法の提案",
ソフトウェア・シンポジウム2002論文集, pp.216-225, July 16-19, 2002.
その他、技術報告に関しては井上研究室の業績一覧を
ご覧ください.
講演会
リンク
なお、これらの研究は、平成13年11月〜平成16年11月30日の研究期間については、
独立行政法人科学技術振興機構(JST)の ACT-JST事業の支援を得て、研究を推進しました。
その研究成果の概略は、ACT-JSTソフトウェアライブラリのページにも掲載されて
います。