肥後研究室志望の方へ

研究室配属を考えている学生の皆さんへ

肥後研究室は,ソフトウェア工学を扱っています.ソフトウェア工学は,ソフトウェア開発を効率よく期限内に開発するための技術を研究する分野です.肥後研究室では,ソフトウェア工学の研究を通じてさまざまな知識や能力を身につけることができます.

特に,

  • プログラミングが好きな人
  • 効率的なプログラミングやデバッグに興味がある人
  • 動作の正しさだけでなく,プログラムの性質(理解しやすさや美しさ)に興味がある人

を歓迎します.

2024年度4年生/3年生向け研究室紹介

2024年4月5日の研究室紹介では,研究室の研究紹介のほか,研究室の教員・学生などが直接,みなさんの質問等に答えます.場所や時間の詳細は2コース長の先生から配布される資料を参照してください.

肥後研究室で得られる知識

社会面

企業におけるソフトウェア開発は個人ではなくチームで行われ,その規模は数十人あるいは数百人に上ることもあります.そのようなソフトウェア開発では,複数人で作業を割り当てる方法や,作成したソースコードを複数人で共有する方法など,個人開発では不要なことが求められます.

肥後研究室では企業との共同研究を行っており,その過程で,企業が実際に取り入れているソフトウェア開発の知識を得ることができます.以下はその一例です.

  • 社会を支えるソフトウェアに対して開発者が背負っている責任
  • 企業が実践しているソフトウェア開発プロセスやプログラミング手法
  • 「保守性」や「読みやすさ」など,ソースコードに要求される品質

技術面

ソフトウェア開発に関するさまざまな情報を取得するための,具体的な知識を学ぶことができます.ソフトウェア開発に関する情報としては,たとえば

  • ソースコードそのものから得られる情報
  • ソフトウェアを実際に動かしたときに得られる情報
  • ソフトウェアを開発している開発者の動作の情報

などがあります.研究ではこれらを組み合わせて,開発者の作業を支援する手法を構築したり, 既存ソフトウェアの分析を通じて新しい知見を得たりします.

このような情報が実際に活用される場面としては,企業におけるソフトウェアの動作分析や品質保証といった活動があり,研究を通じて,最新の技術動向と企業が抱える技術的な課題に触れることができます.

研究テーマの詳細については,研究紹介のページをご覧ください.

肥後研究室で得られる能力

研究を通じて,ソフトウェア工学に関する専門知識だけではなく,情報を論理的に整理する能力や,物事を多角的にとらえる能力も得られます.肥後研究室には,海外からの留学生や教員も多く在籍するため,英語によるコミュニケーション能力を得る機会にも恵まれています.

具体的な能力としては,以下が挙げられます.

  • プログラミング言語の仕様など,技術文書の細部を厳密に解釈する能力
  • 新しい手法を構築するために,既存研究を適切に調査し,情報を整理する能力
  • 理論を検証するために適切な実験を実施する能力
  • 海外の人々と共同で仕事をするための,語学力やコミュニケーション能力

肥後研究室の1年間の活動

学部4年生で配属された学生の研究室生活は,主に以下のようなイベントから構成されます.

  • 1週間に1回,グループ単位でのミーティングで進捗状況を共有します.
  • 1週間に1回程度,研究テーマに関わる教員,大学院生らと詳細な打ち合わせを行い,研究内容から具体的な作業順序への落とし込みを行います.
  • 1週間に2回,輪講でソフトウェア工学の基礎知識を学習します.
  • 4年生として履修する授業への出席も必要です.ミーティングや輪講のスケジュールは,4年生と大学院生の授業の履修状況に合わせて決定しています.
  • ときどき,海外の大学の先生などが来訪される場合があります.このときは,最新の技術動向などを聴講することができます.

学ぶときは学ぶ,遊ぶときは遊ぶということで,夏休み突入前(院試後)のパーティや,春休みにはお花見などを行っています.

肥後研究室が重要だと考えること

研究室に所属する学生の活動の中で,特に重要だと考えていることは2つあります.

研究の進捗状況をチームで適切に共有すること

研究とは誰もやっていないことに踏み込む活動なので,いざ作業を始めようとした途端に分からないことが出て作業が進まなくなる,新しい手法を試してもうまくいかない,といったことが多々あります.また人によっては,授業課題やサークル活動への取り組みや,そのほか個人的な事情により,一時的に研究に専念できない状況に陥る場合もあります.肥後研究室では,このような情報を隠さず共有し,「研究テーマとしてやりたいこと」「学生のやりたいこと,できること」のギャップを埋めることが重要であると考えています.

各自の興味に応じた知識,技術の研さんを積むこと

世の中には,研究以外にも,知識や技術を磨く機会がたくさんあります.研究室としては,

  • 学会等が主催する,研究発表会・技術セミナー・チュートリアル・勉強会への出席
  • 企業の長期インターンシップへの参加
  • 自作ソフトウェアの配布
  • プログラミングコンテストへの参加
  • オープンソースソフトウェア開発への貢献

など,ソフトウェアに関する活動を学生が行うことを奨励しています.

また,研究テーマに関する議論だけでなく,研究室が購入する機材や技術書の選定といった活動においても, 学生個々人の技術的な興味に基づく提案によって研究室全体が持つ知識の幅が広がることを期待しています.

卒業後の進路

肥後研究室や,その前の井上研究室を卒業した学生は,大学院へ進学してさらに専門分野への知識を深める人や,企業へ就職する人などさまざまですが,それぞれが研究室で学んだことを活かして活躍しています.

肥後研究室

大阪大学 大学院情報科学研究科

コンピュータサイエンス専攻

ソフトウェア工学講座