これまで提案されている多くのプログラムスライス抽出技法は, スライスの
正確性を向上させる事を目標としてきたが,現在では大規模なソフトウェアに
スライスを適用する場合には正確性だけでなく, スライスの正確性が低下する
としても,スライス抽出時の効率を考慮する必要がある事が示されている.
本研究では, プログラム中の文間に存在する依存関係の局所性に着目し, 依
存情報が文単位で保持される従来のアルゴリズムに対し, より粒度の大きな'関
数'・'ブロック'単位ごとに依存情報を保持させることで, 計算効率を向上させ
つつ正確性の急激な低下を抑制するスライス計算アルゴリズムを提案する.
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