近年オブジェクト指向開発が、開発速度の向上や過去の成果の再利用を 容易にするものとして注目されている。 一般に、ソフトウェアシステムを開発するときには要求の分析や問題構造の モデリングが不可欠である。そして、オブジェクト指向開発のためにはオブ ジェクト指向の分析・設計が必要である。なぜなら、 既存のプロセス指向分析、機能分析、データフロー分析、状態フロー分析 等の手法では、オブジェクトやメソッド、およびクラスといった概念を用いる オブジェクト指向開発に適合した分析結果がうまく得られないからである。 オブジェクト指向の設計方法論は1980年代後半から数多く提唱されてきたが、 1997年にUMLがオブジェクト指向のモデリング言語として開発され 現在その標準になってきている。 そこで今回は論文紹介を通して、UMLを使った分析・設計法や その利点について述べる。
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