これまでの研究で,LAN や WAN 上で計測されるトラヒックが自己相似性を有 することが指摘されている.しかし,なぜネットワーク上のトラヒックに自己 相似性が発生するか,またトラヒックの自己相似性がネットワークの性能,ファ イル単位の転送遅延時間など,ユーザが直接感じるネットワークの性能にどの ような影響を与えるかについても検討が行われていない.そこで本研究では, 上位層に TCP/IP を用いたネットワークにおいて,ネットワークを流れるトラ ヒックに自己相似性が発生する原因を明らかにする.また,トラヒックの自己 相似性がパケット転送遅延時間やパケット棄却率といったネットワークの性能, およびユーザが感じるネットワーク性能にどのような影響を与えるかをについ て検討を行う.
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